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「一頭買い」って、実際どういうこと?

 

焼肉屋さんや精肉店でよく見かける「一頭買い」

なんとなく “何かこだわってそう”   “品質が良さそう” “希少部位がいつでも売っている”

そんなイメージを持たれる言葉ですが、実際にどういう事なのかまでは意外と知られていなかったりします

今回は、前田畜産なりの視点で少しだけお話ししてみます。

 

 

まず、「一頭買い」というのは、牛を丸ごと一頭そのまま仕入れる、ということではありません。

牛は食肉処理場で処理されたあと、「枝肉(えだにく)という状態になります。その枝肉を一頭分まとめて仕入れることを、一般的に“一頭買いと呼びます。

逆に、ロースだけ・カルビ(バラ)だけ・モモ肉だけなど、必要な部位ごとに仕入れる方法は「パーツ買い(部分仕入れ)」と呼ばれています。

実際には、こちらの方法を取り入れているお店も多いです。

 

 

では、一頭買いにはどんな特徴があるのか。大きいのは、仕入れる牛(牛肉)を自分たちで見極められることです。

枝肉の状態を見ながら「この牛ならお店で出したいな」 「この肉質なら自分たちの基準に合うな」

そう判断したものを選んで仕入れられるのは、一頭買いならではの部分でもあります。

もちろん、パーツ買い(部分仕入れ)が悪いというわけではありません。

信頼している業者さんから、安定した品質のお肉を届けてもらえるという大きなメリットがあります。

ただ、一頭買いには“お店ごとの考え方や好みがより反映されやすい”という面があります。

 

 

その反面、難しい部分もあります。一頭分を仕入れるということは、人気部位だけではなく、すべての部位を扱うということ。

当然、すぐに売れる部位もあれば動きがゆっくりな部位もあります。そのバランスを取りながら販売していくのは、実はかなり大変です。

 

 

また、「一頭買いをしている=いつ行っても全ての部位が並んでいる」という訳でもありません。

そもそも、よく誤解されがちなのですが、例えば“牛タン”や“牛サガリ(ハラミ)は枝肉一頭買いに含まれているわけではありません。

一頭買いで仕入れる枝肉には、内臓類は含まれておらず、タンやホルモンなどは内臓卸業者を通した別の仕入れになります。

そのため、「一頭買いのお店だから、希少部位やタンが常にある」という訳ではないんです。

 

また、枝肉に含まれる部位についても、一頭から取れる量には限りがあります。

例えば人気部位であるヒレ肉は、販売開始から早い段階でなくなることもありますし

加工のタイミングによっては、普段あまり店頭に並ばない部位が出ることもあります。

つまり、一頭買いのお店だからといって、常に同じラインナップが並ぶわけではないんです。

その日、その時だからこそ出会える部位がある。それもまた、一頭単位で仕入れを行う面白さのひとつだと思います。

 

 

前田畜産では、一頭買いを含む枝肉単位での仕入れを行いながら必要に応じてパーツ買い(部分仕入れ)も組み合わせて行っています

自分たちが信頼する生産者の牛を扱うこと。そして、お客様が求める部位をできるだけ安定してご用意すること。

その両方を大切にしたいと考えているからです。

 

 

「一頭買い」という言葉だけを見ると、特別感のある言葉に感じるかもしれません。

ですが実際には、一頭買いにもパーツ買いにも、それぞれ長所・短所があります。大切なのは、“一頭買いだから凄い”“パーツ買いだから駄目”ではなく、

それぞれの特徴を理解した上で、自分たちのお店に合った形で仕入れを行うこと。

前田畜産も、その時々で最適な形を考えながらこれからも自分たちらしいお肉屋を続けていきたいと思っています。