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Newsお知らせ

2025.11.26

白老の和牛生産を、もう一歩先へ進めたい──

その願いから2000年町内の繁殖農家さん数戸が出資し合って立ち上げたのが、本日視察させていただいた『白老牛改良センター』です。

この場所の誕生は、白老牛の改良を進める上で、大きな一歩となりました。

 

当時の白老町では、子牛を育てて町外へ出荷する“素牛生産が中心で、自分たちが送り出した子牛がどんな枝肉になり、どう評価されたのか──

本来なら改良に不可欠な情報が繁殖農家さんに戻らない状況が続いていました。

ちょうどその頃、血統や枝肉成績をもとにした「育種価が普及し始め

和牛づくりは“経験と勘”だけでなく、データを用いる時代へと移り変わりつつありました。

しかし白老には比較や蓄積に必要な肥育牛頭数が少なく、改良の基盤が不足していたんです。

 

こうした背景から設立されたのが『白老牛改良センター』です。

繁殖から肥育、枝肉成績までを一元的につなぎ、白老牛生産を前へ進めるための地域拠点となっていきました。

 

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白老牛改良センターは現在、約100頭の黒毛和種肥育を行い

血統、飼料、枝肉成績など、日々の管理から集まる情報は組合農家さんへ返され、各牧場が自分たちの牛づくりを見直すための大切な材料になっています。

視察で強く感じたのは、“良い牛は、日々の積み重ねでつくられる”ということ。

牛にストレスをかけないことを徹底し、その細やかな積み重ねが牛たちの落ち着いた表情や成績に現れている。

当たり前のようで実は一番難しい姿勢を、現場のどこからも感じることができました。

より良い飼養管理を目指し、組合員同士が集まって議論を重ね、また現場に戻って実践する──この往復こそが、白老牛の底力を支えています。

 

創設前と比べ現在は、町内全体の肥育牛頭数が増え、改良センターが “唯一のデータ拠点” だった時代は終わりつつあります。

それでも繁殖と肥育をつなぎ、白老牛の未来を考える場所としての価値はこれからと変わることはないでしょう。

 

実は先日、当店で“一頭買い”した【やすみ号もこちらの改良センターから出荷された子なんです。

今日見た光景と人の想い。肉屋として、この“背景まで含めた白老牛”を、これからもっとお客様へ届けていきたいと改めて感じました。